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作者 西丸 雅之
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ページ 1 of 24 はじめに
プラチナプリントとはその名の通り貴金属のプラチナ(白金)で画像を形成する印画法である。プラチナプリントの持つノーブルな美しさは独特なものである。濃度計の数字上では普通のバライタ印画紙のほうがはるかにダイナミックレンジが広く、性能としては優れているのだが、それでも不思議なことにうまくプリントされたプラチナプリントの黒は深みを感じさせ、デリケートな階調の美しさは他の技法では得難いものがある。
またプラチナプリントは一般的な印画紙とは異なりバインダ層がないため、支持体である紙のテクスチャーをそのまま活かすことができるのも魅力の一つにあげられる。またプラチナは非常に安定した金属で、環境による影響を受けないと言って過言ではない。つまりプラチナプリントは極めて優れた保存性があるのである。
プラチナプリントといっても現在ではほとんどがプラチナとパラジウムを混ぜて使用している。パラジウムはプラチナに近い貴金属でプラチナと同様に安定性が高い。プラチナだけだと純黒調に近い色味となり、パラジウムだけだと赤褐色になる。プラチナパラジウムプリントでは混ぜる割合で微妙に色味が変化する。
しかしプラチナとパラジウムを混ぜて使用する一番の理由は色味のコントロールよりも、コスト面と作業面でのメリットがあるためである。パラジウムはプラチナよりはるかに安価で使用量もプラチナの約半分程度で済む。
作業面でいえば、プラチナだけの場合にはウォッシュオフと呼ばれる現像液中で感光液が支持体の紙から剥離する問題がおこりがちで、引き締まった黒のあるプリントを作りにくい。またパラジウムだけだとソラリゼーションが起こりやすいという問題がある。両者を混ぜて使うことによりこれらの問題を解決することができる。プラチナとパラジウムの割合を1:1から1:3で使うことが多いようだ。
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